長時間の通勤は健康を損ねることがあります。通勤ストレスは深刻な問題なのです。
【論文で証明されている】通勤のストレスは心身の不調につながっている
国土交通政策研究 第 55 号
交通の健康学的影響に関する研究Ⅰ(2005年10月)


「通勤ごときで退職したいなんて甘えているのかな」と思うのはやめましょう。実はあなたの健康やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に直結している問題です。退職を考えてしまうのは普通のことなんです。
通勤が遠いことは退職の理由になります。時間のかかる通勤を前向きに捉えることができなければ大きなストレスになります。
例えばこんな風に前向きに捉えられる人は大丈夫です。
- 電車が始発なので必ず座れる。睡眠時間にあてている
- 電車の中で本を読んだりイヤホンから聞いて勉強の時間にしている
- 外の景色を眺めてリラックスする時間にしている
- 今日一日の仕事の計画を練ることにしている
- 車で通勤しているので、好きな音楽を聴きながら一人の時間を楽しんでいる
- 長時間の通勤で、仕事と家庭の気持ちの切り替えになっている
このように毎日の通勤にかかる時間をポジティブに捉えて楽しんだり有意義に使うことができるといいですね。遠くても会社に行くモチベーションが下がらないように工夫できるかがポイントです。
遠距離通勤になった理由に納得いかなければ退職を考えてもいい。「納得感」があれば心理的には負担軽いけれど、そうでなければイライラが募るだけです。
- もともと遠い会社だとわかっていて入社した
- 入社した後に会社が引っ越しをして遠くになってしまった
- 入社した後に家庭の事情で自分が遠いところに引っ越しをした
「通勤に時間がかかるけれどしょうがないんだ」と自分の中で納得できていれば多少はあきらめもつくかもしれません。
でも「最初は通勤が30分くらいだからこの会社に決めたのに移転したから90分かかるようになった・・・」と納得いかない感じがある人は自覚できないストレスがじわじわたまっているかもしれません。
通勤時間を短かくする可能性を考えて、実現できそうになければ退職を考えてもいい。社内異動を願い出る、在宅ワークできるようにする・・など。
- 家から近い支社があるので、社内異動を願い出る
- 在宅ワークを取り入れてもらって週の半分くらいは自宅で仕事をする
- 転職してもっと近い会社に勤める
異動や在宅ワークはその会社によって対応できるかどうかが違いますので、上司や窓口などに相談してみるといいでしょう。なかなか制度を変えるのは難しいこともありますので、時間がかかることもあるかもしれませんが、今のお仕事を辞めたくない方でしたら頑張ってみるのもアリだと思います。この人手不足の中で戦力を失うのはかなりの痛手のはずです。退職者を出したくない会社でしたら、前向きに検討してくれるのではないかと思います。
こんな人は通勤時間が長くてつらくても、仕事を辞めてはいけない
通勤がつらい・・・でも、こんな人は仕事を辞めるのはお勧めできません。もしつらい理由が通勤だけなら、ぜひ上司に相談してみましょう。少しでも通勤のストレスを軽くするために時差出勤なども検討してもらえるかもしれません。
- 今の仕事が楽しい、やりがいがある
- 次の仕事を見つけられる気がしない(転職リスクがあります)
- 1人の時間がほしいので電車に乗っているとホッとする(逆にこの時間を使ってストレス解消してますね)
- 通勤ストレスとうまく付き合えている(ストレス解消がうまくいっている)
「人生は時間でできている」通勤時間がムダだと感じるのは、人生をムダにしていると感じているからかもしれない。時間があったら何をしたいですか?
「人生を愛するものよ。時間を浪費してはならない。人生は時間で出来ているのだから。」ベンジャミン・フランクリンも言っているように、時間の使い方にはその人の人生の捉え方が現れてるいようにも思います。
通勤時間がもっと短くなったら、どんな生活になると思いますか?
- 子供ともっといっしょに過ごせる
- 家族といっしょにご飯を食べることができる
- 趣味の時間を作る
- もう少し家の中を整理して、掃除もしたい
- 前から学びたかったことを学ぶ時間を作る
- ゆっくり眠れる
通勤が遠くて嫌だ・・・そう感じる気持ちの奥底には、本当に自分が叶えたいものがあるのかもしれません。
通勤のストレスはあなたの人生、健康の問題とつながりが深い。通勤が遠いから辞めたいと思うのは甘えているわけではないのです。
通勤のストレスにそろそろ耐えられない・・そんな方は社内で相談するのか、転職するのか等、自分のキャリアについてじっくり考えてみることをお勧めします。「キャリア」とは仕事のことだけではありません。自分がどう生きていくのか、家族も含めて周りの人たちとどう関わっていくのかも含めた人生全体のことです。よりよい選択をするためには、自分の感じているストレスとの付き合い方も考えていく必要がありますね。
